消費税インボイス方式では事務負担が増加!

 

安倍首相は14日、自民党税制調査会会長の宮沢洋一氏に消費税増税(10%への引き上げ)と同時に軽減税率を導入するよう検討の指示をしたとされています。

財務省は、適正に計算するのにインボイスが必要と主張しているため、軽減税率導入に合わせてインボイス方式の導入が議論されています。

インボイス方式は、品目毎に税率や消費税額を記載しなければならず、以前から中小企業の事務負担が大きいと指摘されています。また、スーパー等ではレジが対応できていないため、改修や更新が必要になり、インボイス方式のためのコスト負担の問題がでてきます。

日本税理士会連合会も以前から実務上の混乱と課税制度が複雑になると反対をしています。

確かに、8%や10%のの引き上げ時による経過措置として旧税率が適用されるものもあり、5%、8%、10%にプラスして軽減税率が加わると相当の混乱が想定されます。

9月に財務省消費税軽減策が公表され、世論が反対一色だったため、安倍首相と菅官房長官は、軽減税率しかないという流れになったそうです。

インボイス方式導入については当初の数年間は簡易方式で、その後、インボイスの本格導入ということも議論されています。
日本商工会議所の三村会頭は「事務負担の問題は最善の方法でやってほしい」とおっしゃられています。

消費税の更なる引き上げによる国民全体の反対を抑えるための軽減税率導入という議論かもしれませんが、中小企業の事務負担を考慮せず、このまま押し切る形はやめてもらいたいと思います。

安倍首相は「経済を最優先」と述べておられますが、日本の全産業のうち99.7%が中小企業・小規模事業者であり、その中小企業・小規模事業者の経済活動を後押しするような制度にしていかないと、経済は活性化しないのではないでしょうか。